- 尾崎 央虎さん
- 法学部国際関係法学科3年
(小倉南高校出身)
Seinan VisMoot 3年目
Seinan VisMoot
Seinan VisMoot
法律×英語で世界を目指す!
VisMootとは、国際取引で生じる架空の紛争を題材に、英語で、法律を用いて弁論を戦わせる伝統ある国際模擬仲裁大会。全世界の法学部・ロースクールの学生を対象に、毎年春に、ウィーンと香港で開かれており、ウィーン大会の参加校は84の国・地域から365校、参加学生数は2500人余り(2021年度大会)、さらにこれらの大会を前に世界200以上の地域でプレ大会も行われる、一大イベントです。
大会本部から出される膨大な量の問題ファイルはもちろん、事前に提出する準備書面、そして大会当日の弁論もすべて英語です。また審査員は、国際的に活躍中の弁護士や研究者であり、国際取引法務の最前線を体感できる大会となっています。
西南学院大学法学部の公認団体であるSeinan VisMootチームは、2017年度に結成され、以降連続出場しています。九州の大学から唯一、VisMootに参加している「Seinan VisMoot」チームのリーダーの皆さんに、活動について聞きました。
※文中学年は2023年3月時点のもの
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- 荒木 優葵子さん
- 法学部国際関係法学科2年
(福岡高校出身)
Seinan VisMoot 2年目
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- 日高 育穂さん
- 法学部国際関係法学科1年
(嘉穂高校出身)
Seinan VisMoot 1年目
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- 松岡 亜門さん
- 法学部国際関係法学科2年
(福岡舞鶴高校出身)
Seinan VisMoot 2年目
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- 内田 雄也さん
- 法学部法律学科3年
(宗像高校出身)
Seinan VisMoot 1年目
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- 多田 望
- 本学法学部教授
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- 釜谷 真史
- 本学法学部准教授
「法律」と「英語」
どちらもやってみたい
- 釡谷 :
- みんな学年も学科もばらばらですね。自己紹介も兼ねて、Seinan VisMootチームに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
- 尾崎 :
- 将来、国際機関や世界中に展開する企業で働きたいと思い、国際関係法学科に入学しました。当時、コロナ禍の混乱真っただ中で、制限の多い大学生活のスタートだったのですが、SNSを通じ、Seinan VisMootがオンラインで活動していることを知りました。コロナ禍でも世界と繋がることができ、座学でなく実際に英語を運用する能力が身に着けられる環境に魅力を感じ、参加を決めました。
- 日高 :
- 私はもともと英語が好きで、将来、海外で働きたいと思い入学したのですが、入学直後は「受験英語」に疲れて、英語嫌いになりかけていました。このままではまずいな、と思っていたところに、机出し(注:西南学院大恒例の、入学式後のサークル勧誘行事)でSeinan VisMootに出会いました。英語を使う活動であることに加え、法律も学べるという点に惹かれました。
- 松岡 :
- 僕も法律を実践的に学べるという点が魅力的でした。僕もコロナ禍での入学で、多くの授業がオンラインとなっており、初めて触れる「法律」を1人で学ぶことに不安を感じていました。Seinan VisMootの説明会では、出会った先輩方が皆とても優しく、僕の不安にも耳を傾けてくれました。とても心強かったですし、ぜひ先輩方と一緒に活動してみたいと思うようになりました。
- 荒木 :
- 私は、せっかく法学部に入ったのだからなにか法学系で打ち込める活動をしたいな、と思っていたところ、Seian VisMootに出会いました。説明会での、先輩方が英語で弁論する姿の格好良さ、釜谷先生の親しみやすい人柄に、一気にSeinan VisMootの世界に引きずり込まれました(笑)。
- 内田 :
- 僕も、何か打ち込めるもの、挑戦できるものを探していました。参加当時すでに3年生だったのですが、それまでコロナ禍で制限された、どこか物足りない2年間を送っていました。教科書販売の帰りに何気なく見つけた、机出しでSeinan VisMootを知り、飛び込みました。
日本大会を終えて
- 釡谷 :
- ちょうど3日前、日本大会が終わったばかりですよね。日本語の部、英語の部でともに準優勝、また日本語の部では最優秀弁論者賞(MVP)を内田くんが受賞することができました。日本大会を振り返ってみてもらえますか。
- 松岡 :
- 昨年はサポートメンバー(注:出場者以外のメンバー)で、今年初めて日本語の部に出場しました。本当に緊張しましたが、これまで2年間の活動の日々を信じ、ベストを出し尽くそう、という気持ちで臨みました。日本語の部に出場した4人で2位という結果を掴むことができ、本当に嬉しかったです。
- 内田 :
- 僕も日本語の部に出場しました。「後悔のない結果にしたい」という強いがありました。2位となりましたが、今までメンバーと積み重ねてきたものをすべて出し切ることができたので、後悔はありません。
- 日高 :
- 英語の部に出場しました。外国人仲裁人のもとで試合をするのは初めてで、完全に場の雰囲気にのまれてしまいました。終わった直後は放心状態でしたが、今になってじわじわと悔しい気持ちがこみ上げてきています。
- 荒木 :
- 私は昨年に引き続き、英語の部に出場しました。昨年は、仲裁人に言いたいことを伝えることを意識して臨みましたが、今年は仲裁人の質問に適切に応答することを課題にしていました。仲裁人の意図に沿う答えが返せたときは嬉しかったですが、質問の意図が汲み取れない場面も多く、苦しみました。
- 尾崎 :
- リーダーとして試行錯誤を続ける1年間だったので、先輩方が築いてきたものをうまく引き継ぎ、結果に残せるか、とても不安でした。日本語の部も英語の部も2位に入ることができ、ほっとしています。僕も、英語の部に出場しましたが、荒木さんも言っていたように、仲裁人の質問の核心に迫れるかがこれからの課題だと感じています。
互いをリスペクトし、学びを承継していくチーム
- 釡谷 :
- 4月に新チームが動き出してからここまで、大変なこともたくさんあったことでしょう。活動を振り返りながら、みんなが思うSeinan VisMootチームの魅力、強みを聞かせてください。
- 日高 :
- 互いをリスペクトしあう空気が根付いていることです。下級生や1年目のメンバーの意見にも対等に耳を傾けてくれるので、とても居心地がよい場所です。同時に、活動の過程で生まれる不安には上級生や2年目以上のメンバーがしっかり手を差し伸べてくれるので、1年生の私も安心して、のびのびと取り組むことができています。
- 荒木 :
- 誰か1人が引っ張るというのではなく、それぞれが自分で考えたことを尊重し、持ち寄り、互いにカバーしあって議論を積み重ねられるのが、Seinan VisMootの強みだと思います。VisMootは上級生だからといって、また過年度経験したからといって答えがわかるようなものでもないので‥‥‥。私が議論の組み立てに行き詰まったときも、そこを同じグループのメンバーが引き継ぎ議論を続けてくれたおかげで、諦めず考え続けることができました。
- 松岡 :
- 学びの蓄積が先輩から後輩にしっかりと承継されているのは大きな強みだと思っています。1年間のスケジュール作りから、問題への取り組み方、大会出場までのプロセスに至るまで、すべて引き継がれているのはとても心強いです。また、引退・卒業した先輩がサポートに来てくれるのはありがたかったです。
向上心の高い仲間とともに過ごす最高の場所
- 釡谷 :
- それでは最後に、もうすぐ4年生になる2人、そして多田先生に、このページを見てくれている高校生や西南学院大学法学部の在校生に向けて、メッセージをお願いします。
- 内田 :
- Seinan VisMootは、向上心の高い仲間と一緒に、ただ法律や英語のスキルを伸ばすというだけでなく、難しいことにぶつかっても諦めない、そんな精神的な強さも身に着けられる、最高の場所です。勇気をもって飛び込んでみてください。
- 尾崎 :
- 僕は大学4年目を迎えようとする今、大学4年間の重みを、身をもって感じています。どのようなことに挑戦して、全力で取り組んだかで4年後の自分は大きく違うと思います。Seinan VisMootには、同じ目標に向かってともに試行錯誤し、切磋琢磨しあえる仲間がいます。法律や英語を実践的に学んでみたい人や、「大学生活でこれは本気で頑張った」と胸を張って言える経験をしたい人は、ぜひSeinan VisMootにお越しください。私自身も皆さんと一緒にもっと貪欲に成長したいと思っています。
- 多田 :
- VisMootでは「国際取引法」を実践的に学ぶことができます。就職活動においては、貿易関係などではとくに、「国際取引法」を学んだことそれ自体が武器になります。それ以外の進路でも、このような国際的大会で場数を踏むことにより得られる経験が、大きく生きてきます。チャレンジ精神、高い志をもって、自分の力を信じて進み続けるSeinan VisMootの皆さんを、教員として、釜谷先生と一緒にサポートしていきたいと思います。ぜひ西南学院大学法学部、Seinan VisMootへお越しください。
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座談会出席者
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Seinan VisMoot2022メンバー
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学外コーチの絹川恭久弁護士との検討会
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準備書面提出前日
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日本大会表彰式
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日本大会試合風景(日本語の部)
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日本大会試合風景(英語の部)
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2022年度海外大会にて