紛争や立法の経緯を知れば
法律学は面白くなる
法律は六法全書の暗記ではない
山田憲一先生は、高校への出張講義で、「法学部に入ったら、六法全書を全部覚えないといけないんですか」と聞かれることがあるそうです。しかし、それはまったく誤解されたイメージで、「法律は覚えるだけの学問ではないんですよ」と山田先生。さらに、こう付け加えます。
具体的に接することで面白くなる法学
「法学の勉強というと、難しい言葉や理屈がたくさん出てきて、楽しくなさそうな気がしませんか?私も大学に入ったころはそういうイメージを持っていたのですが、争っている当事者はなぜ裁判に持ち込んだのか、とか、法律が改正されるときにどのような事件がきっかけになったのか、といった具体的な話に接するようになって、法学を面白く感じるようになりました。」山田先生の体験からすれば、アプローチ次第で、一見すると難しい法学も面白くなるようです。
チャンスを捉えるアンテナを張って
では、そのような、面白さを見つけていくような勉強は、どうしたらできるでしょう?
「例えば、授業の中で、裁判を聴きに行って(傍聴、と言います)レポートを書く宿題が出されることがあります。そこで証人の生の声に接して、この事件はこういう事情があって起きたんだ、と具体的なイメージが見えてくることはあり得ます。
とはいえ、指示されたことだけやっていると、なかなかそういう機会はやって来ません。私も、学生時代はかなり消極的な方だったので、今からすれば、もったいないことをしたなと思っています。
ただ、積極的に機会を探せと言われても、多くの方はそういう動機づけもないし、その気になっても自分の力でどうにかするのは大変でしょう。
そういうときは、まずはチャンスを捉えるアンテナを張るといいと思います。西南学院大学を例にとると、熱心な先生がいらっしゃることもあって、いろいろな方を招いて、たくさんの講演会やトークイベントなどが開催されています。皆さんの通ってらっしゃる学校や地域でも、いろいろなイベントがあるでしょう。そういうものをチェックしておいて覗いてみるだけでも、随分違ってくるのではないでしょうか。」