多様なものの見方が身に付き、
充実した人生に役立つく政治学
鵜飼先生の「政治学」とは
2015年4月に本学法学部に着任した鵜飼健史先生は、西南の印象について「いい意味でポジティブであり、楽観的な雰囲気のある大学ですね。こちらは学問や教養を大切にし、それに対する真摯な取り組みを許すような自由な雰囲気があり、いいことだと思います」と、縁もゆかりもなかった福岡の生活にすっかり馴染んだ様子です。
鵜飼先生の専門は政治学。『政治』は、ニュースで話題を聞かない日がないほど私たちの生活に根付いたものですが、どこかわかりにくく、難しいという印象が付きまとうものでもあります。大学では、この政治を各国の具体的事象や政策はもちろんのこと、その背後に流れる議論や哲学、思想という観点から立体的に学んでいきます。具体的にいうと、民主主義を取り上げる場合は「民主主義とは何か」「国家とは何か」などという原理論から、わたしたちが経験している政治現象の本質を探ります。そして、答えを導き出す課程で、考える力やものを見極める目を養っていく。これが政治学の意義です。
充実した人生に役立つ学問
さらに鵜飼先生は「政治は人と人の関係性の問題であり、人を理解することが絶対的に欠かせません。政治を学んでも、すぐに就活では使えない! と思っている学生も多いかもしれません。しかし、政治を学ぶと多様なものの見方と行動力が身に付きます。これは今、社会が求めている力なのではないでしょうか。そして、それは自分自身にとって、人生を充実させるという意味でも意義があることです」といいます。私たちに密接に関わっている学問分野だからこそ、学び、知り、考える過程が人生の豊かさにつながるのかもしれません。
大学ではひとつひとつの経験を大事にし、丁寧に身に付けて欲しい
また、貴重な大学4年間の過ごし方について、鵜飼先生はこう話します。「バックパッカーや海外ボランティア活動など、いわゆる“特別なこと”をやりなさい、という気は全くありません。 大学生として20歳前後の今やれることをしっかりやってほしいと思います。そして、本を読む、家を掃除する、バイトをする。そうした経験を丁寧に拾ってほしいですね。丁寧に拾うというのは、頭を使い、考えながら物事に取り組むということです。きちんと物事に向き合いながら、経験値をあげることが4年間で一番大事なことではないかと思います」。