民法を学び、掘り下げて
円滑な生活を送るためのヒントを探ろう
実生活は契約の網に覆われている
大学で専攻しない限り学ぶ機会のない法学ですが、「電気や水道の使用や売買はすべて契約の上で成り立っています。また、会社との雇用も契約ですよね。実は、生活は契約の網で覆われているんですよ」と教えてくださったのは、民法が専門の田中英司先生。生活に関わることがらのほとんどが民法上の契約に関係するため、民法を学ぶことで争いごとを法の観点から解決し、円滑に生活するための力をつけることができます。
法廷教室での模擬裁判で掘り下げて学ぶ
また大学の授業(ゼミ)では判決を読んで議論を深め、その後に原告・被告・裁判所に分かれて、法廷教室という実際の裁判所さながらの設備が整った教室で模擬裁判を行っています。原告と被告では観点も理論構成も戦い方も異なるため、学生は模擬裁判を通して多角的にものごとを見る力を養っていくそうです。さらに「日常生活はそれぞれ考え方の違う人間が集まり、コミュニケーションをとりながら進めますよね。相手の考え方の悪いところは伝えて、立場を軌道修正してあげる必要がありますし、自分が悪いときは自分のやり方を修正していきます。その方法を、実は民法で学べるんです。学生にはそこを掴んでもらいたいですね」と田中先生。民法を学ぶことは、生きていくための力を付けることにもつながりそうです。
早い時期からやりたいことを考え、行動へ
最後に、教務担当でもある田中先生から“大学の4年間を円滑に過ごすためのヒント”を教えて頂きました。「専門科目の履修が始まる1年の後期から2年の前期が勝負ですね。ここがつまずきのピークと言われています。ここでうまく流れを作れた学生は、一人前。あとは積み上げたものを継続するだけなので、3年の後期から迷いなく就職活動に入れます。それから、早い時期から自分のやりたいことについて考え、取り組んでいかないと、本意ではない就職活動をしてしまうことになります。当たり前だけど、大学は勉強するところ。唯一のんびりできるのは、大学1年の夏休み前までですよ」。