教員紹介

Faculty Members

中野 万葉子 准教授

法律学科

高校生へのメッセージ

私は人との出会いに恵まれ、人に助けられてここまできました。振り返ってみると、自分の人生はここで変わったなと思うときには、必ず人との出会いがありました。人とのコミュニケーションをなくしたときには、自分の未来を切り拓くチャンスもなくしてしまいます。高校生のみなさんにもぜひ出会いを大切にし、さまざまな人との関係を大切にしていってほしいと思います。人生に無駄な出会いはありませんよ。

中野 万葉子
研究分野 法制史

人との出会いで変えられる
これからの人生

恩師の一言から自分の将来を見つめなおして

西洋法制史などの基礎法学科目のほか、外国法(ドイツ法)の授業を担当している中野万葉子先生は、法学部の教員にしては珍しい異色の経歴を持つ先生です。そのため、発される言葉もユニークかつ情熱的。実体験をもとに語られるリアルな言葉は学生の心を突き動かし、行動を奮起させる起爆剤になっています。
名古屋大学時代は法哲学・法思想史のゼミに在籍していた中野先生。3年次の後半からは周りの学生と同じように就職活動をして内定を得ますが、指導教授から「自分の決断に疑問を感じたことはないのか?」という投げかけに、同大学の大学院に進むことを決意します。法学博士の先生のもとで学ぶうちに「多くの人は、法律があることを前提に考えると思うのですが、私はこの法律がどのようにできあがってきたのかに興味を持つようになり、特に『私法の体系化』に関心を深めていきました」と研究の道へ。修士課程の2年間を終えると、慶應義塾大学大学院の博士課程でさらに英知を磨きます。
行動力ある中野先生はそこで終始せず、2年次に休学し、その分野の第一人者がいるドイツ・ミュンヘン大学(Leopold-Wenger法制史研究所)へ、DAADの奨学生として単身留学。初めのうちはドイツ語の語学学校に通いながら語学力を磨き、博士論文の提出に必要な法律科目の試験を受験、6年間の留学生活の末、博士論文を完成させました。「モチベーションを保つことは苦しいことでしたが、私の大学時代の師匠はドイツで本を出せるような方で。ヨーロッパのことをやって日本で有名になったとしても、ヨーロッパで認められるかどうかが重要な問題だと感じていたので、私も本場できちんと研究して認められたいという思いがありました」と中野先生。妥協を許さない強い意思が、次なる道を拓いたのは間違いありません。

海外に出て、気が付いたこと

ドイツ語の語学学校に通うところから始め、6年間の留学生活で博士論文を提出するまでに至った中野先生の努力は、想像を絶するものがあります。その6年間は、中野先生にとってどのようなものだったのでしょうか。
「何かが変わったとは思うのですが、それが何かというのは正直なところよくわかりません。ただ、ドイツの大学生と一緒に学ぶ中で、強い刺激を受けましたね。日本の大学では、大教室の講義中に質問をする学生はほぼいませんが、ドイツでは周りを気にせず質問します。ドイツ人は、人からどう思われるか、嫌われないかということをあまり気にしないのかもしれませんね。ゼミなどでも学生が積極的に議論します。こうした刺激を受けて、自分から発信しようとする気持ちが強くなりました」。
中野先生自身の経験から、より多くの学生に留学を経験してほしいといい、そのメリットについてはこう話します。「プラスは、自分の文化と違う文化に触れることで、視野が広がること。一方で、マイナスな見方をすれば、言葉も話せない状態で1、2ヶ月留学したところで何が得られるんだとも思います。でも、行ってみて、こんな状態で行ってもダメだったと気がつくこともいい経験になると思うんです。可能であれば短期でもいいので外国の生活を経験して、色々な気付きを得てほしいですね」。