インターネットに頼らず、足を使って調べる
そんな、無駄に思える時間を大切にしよう
「結婚」「離婚」「相続」という身近なテーマ「家族法」を研究
民法領域の“家族法”を研究されている宮崎先生の研究室には、「結婚」「離婚」「相続」という、生活に密着した内容の本がずらりと並んでいます。夫婦や親子の関係と相続について学ぶ先生の講義は、とても身近な問題を取り扱うため、法学部以外の生徒まで興味を示すほど。講義の内容も興味深いものばかりです。
法律というより人間への興味が家族法へ
宮崎先生に家族法を研究するに至った経緯を伺うと、意外な答えが返ってきました。「法律を学ぶことが苦手な学生もいますが、私もそもそも法律より、人間に興味があって家族法を研究するに至りました。大学当時は養子縁組やその届出の問題が盛んに議論されていて、もっと深く学びたいと思って大学院にも進みました。結婚は法律的に見ると、婚姻届の届出の仕方(制度)は同じなのですが、当人たちの思惑や考えていることは違うわけですよね。制度と意思の間に相違があることが、家族法の面白いところだと思います」。
「調べる」ことに無駄なことなどない!
さらに、学生時代はとにかく多くの本を読み、情報収集に力を入れたという宮崎先生は、こうアドバイスします。「今みたいにインターネットやソーシャルメディアがない時代ですから、調べる手段は本しかありませんでした。しかし何をするにしても、調べれば調べるほどいろんな情報が引きでてきて、楽しかったですね。その中には無駄なこともたくさんしていたとは思いますが、それがよかったのかなと感じます。今の学生は結果が見えないと不安になるし、無駄なことをしたがらない。卒論を書かせると早々に結論を導き出そうとするのですが、私は、自分がこういうことを調べて、ここまで結論が出た。だけど、ここはわからないというのが示せればいいと思うんです。調べる過程や学ぶ課程を大事にしてほしい。そして、自分で調べて、自分で考えて、自分で行動することを心がけてほしいと思います」。