国際法学で変わった世界の見方
学生も若いうちに海外へ飛び出そう!
ある一冊の本との出合いから
ハツラツとした印象を受ける小寺智史先生は、ヨーロッパ発の学問である『国際法学』を専攻されています。大学時代は『国際政治経済学』など、法律というより興味の向いていた海外や政治の勉強などに従事。しかし大学院進学に伴い、間口が広く、生活と切っても切り離せない法律の道を志そうと、方向転換を図ります。「始めは、大学院で国際法を勉強しようとは思っていなかった」そうですが、教授に薦められて読んだ『国際法』という本との出会いが、大きな転機になりました。
761ページもあるその本を、マーカーでラインを引きながらなんと!3回も読み返したという小寺先生。わからない部分を調べ、読み深めて行くうちに「もう少し勉強してみよう」という気持ちになり、段々と国際法に魅了されていきます。「本にのめり込めたのがよかったですね。それと、他の法律もそうですが、国際法には正解がないんです。例えば“豊かな国は貧しい国に援助する義務があるか”という問いには、正しい答えがありませんよね。そこも面白かったですね」。
世界の見方が変わる
国際法の研究者は、英語、フランス語、ドイツ語を学び、さらに留学することが暗黙のルールとなっているため、小寺先生も大学院博士課程の1年目に南仏へ留学。フランス人はもちろん、多彩な国の留学生と1年間過ごし「もっと早く、海外に出ておけば良かった」と実感したそうです。その自身の経験をふまえ、学生には「遊びでも、目的がない旅でもいいから、できるだけ早く海外へ行ってみて。お金を工面してでも、行く価値はあるから!!」とアドバイス。その理由とは…。
もっと早く海外へ行っておけば良かった
海外には”衝撃”があるんです。話さないと生きていけないので、自然とコミュニケーションを取るようになります。すると、変な自分が出てきます。例えば、私は英語で話していると陽気な男ですが、フランス語だとなよっとした男になったりして(笑)。話す言葉や人によって、自分のキャラクターが変わるんだとを知ることができました。また、海外に出ることは、その国のことをすごく好きになったり、逆に日本の良さに気付く機会にもなります。行ってみて無理だったら、帰ってくればいい。そのぐらいの気軽さで、世界へ飛び出してほしいですね。きっと幅広い視点を持てると思います」。