ディベートを取り入れた学生主体のゼミで
自分の言葉で話す力を付ける
学生のやる気を引き出す仕組みを求めて
釜谷真史先生の授業、とくにゼミには、学生のやる気を引き出す工夫が満載。西南法学部にはその試みを後押しする、教員同士の協力体制があるといいます。
「西南赴任前に他大学で担当したゼミでは、ただ調べたことを報告するという形式にしていたのですが、報告者以外の学生はやる気がないし、ゼミ自体も盛り上がらない。どうにかしたいと思っていたところ、西南法学部教員有志による法学基礎研究会に誘われて、西南式ディベートに出会いました。」
とはいえ、釜谷先生も初めは、ディベートは話が上手な人が相手を言い負かすイメージで、あまり肯定的ではなかったそう。それが覆された背景には、西南式ディベートの独特のルールがありました。
論理的思考力が身につく西南ディベート
「西南式ディベートは、時間と役割がしっかり決まっています。与党、野党に分かれ、第1スピーカーが5分話したら、反対の第1スピーカーが反論して自分の意見を言います。それを第2スピーカーも…、というように、構造がはっきりしています。これはきちんと論理立てて話す練習になる。なにより、勝ち負けがはっきりするので、ゼミも自然と盛り上がるし、レベルも高くなっていくんです。」
基礎演習でディベートの効果の高さを実感した釜谷先生は、次第に、ディベート方式を専門演習にもとり入れるようになります。
合同ゼミ、学内法律討論会、そしてVisMootへ
「ゼミの時間はゼミ生同士で白熱した議論が続くので、結局私が口を挟めるのは5分程度。個人での下準備に班での議論……ゼミ生同士、自然と仲がよくなるようで、とっても楽しそうですよ。」
毎年、他の大学と合同ゼミを行うほか、学内の法律討論会に出場するなど、釜谷ゼミにはプレゼン力を磨き、論理的思考力を高める機会がたくさんあります。その一環として2017年に釜谷ゼミは、VisMootという世界的な法律討論会に挑戦し、オーストリア・ウィーンで行われる大会に出場しました(その後、Seinan VisMootという法学部公認サークルが設立され、その活動は釜谷ゼミから切り離され、法学部すべての学生に門戸を広げたものになっています)。
法律は料理でいうところの“材料”であり、ディベートはそれを道筋立てて使うための“道具”のようなもの。両方を磨いていけば、自分の人生を切り開く、大きな武器になるに違いありません。